前提が変わりました
ターミナルは、打てば答えが返る場所でした。往復は数秒で、その間ずっと人がそこにいました。 Mac のターミナルはいまも、その人のために作られています。
エージェントは違う動き方をします。用件を渡すと何分も走り、途中で止まってこちらに尋ね、また走り出す。 もう打つ人ではありません。見て、聞かれたときに決める人です。 それを何台も同時に走らせると、仕事は管制に近づきます。
Ultenix はその人から始めました。以下はすべて、そこから出てきたものです。
ペインが何をしているかが分かること
最初に作ったのがここで、残りはここから生まれました。
エージェントが働いているかどうかは、前景にプロセスがあるかでは分かりません。 返事を待っている LLM は、考えている LLM とまったく同じように前景に居続けるからです。 そこで Ultenix は、コマンドが出す合図と、直近に出力が届いたかを合わせて読み、 すべてのペインを4つに分けています。処理中、返事待ち、完了、待機。
それぞれに印があります。処理中は回り続けるリング、返事待ちは脈打つ丸、完了はチェック。 効くのは2つ目です。私たちが比べた範囲では、この見分けをしているターミナルは他にありませんでした。
呼ばれたら気づけること
画面の印は、画面を見ているときにしか効きません。 エージェントが返事を求めたら、Ultenix は通知します。音は選べます。 Mac の前にいなければ、知らせは iPhone に回り、そこから答えて走らせ続けられます。
外から操作できることが目的ではありません。待ち時間に午後が溶けないようにすることが目的です。
8枚を同時に抱えられること
分割そのものは簡単です。難しいのは、動いている8枚を見失わずに読むことです。 そこでペインごとにプロファイルを持てるようにして、ヘッダと枠がその色に染まるようにしました。背景も1枚ずつ変えられます。 いま入っていないペインは暗く落ちます。隣と幅を貸し借りでき、キー1つで一時的に最大化して戻せます。 配置は一覧から選べて、ペインはキーでもつまんででも動かせます。
1つだけ、うまく動いているときには見えない工夫があります。 状態の印は、待機のときも要素そのものを置いたままにして、見た目だけ変えています。 数秒おきに出したり消したりすると、下の重ね合わせの層が作り直され、ペイン全体が点滅して見えるからです。 8枚がそれをやると使い物になりません。見つけるまでに時間がかかりました。この製品はそういうものの積み重ねでできています。
必要なものが画面の外にあるときは、キーを押している間、持っているターミナルが全部並びます。 アイコン、プロファイル名、いま動いている作業、そして状況つきで。
戻せないことが、ひとりでに起きないこと
エージェントは、人が読むより速くコマンドを出します。 削除、上書き、権限の変更。どれも実行の手前で必ず止まり、どれくらい危ないかを普通の言葉で示し、押すのは人です。 速さには価値があります。ディレクトリ1つ分の価値はありません。
自分の言葉で使えること
Ultenix は32の言語で動きます。 ターミナルが英語なのは、技術的にそうでなければならないからではなく、ずっとそうだったからです。 やりたいことを自分の言葉で書きたい人が、まず頭の中で翻訳する必要はありません。
アラビア語とヘブライ語では、画面の並びを左右反転します。
作らないと決めたこと
モデルは同梱しません。API キーもこちらでは持ちません。 エージェントはご自身のものを使ってください。Claude Code、Codex、Mac の中の Ollama、いま使っているもので構いません。 こちらが鍵を持つと、料金がお使いの量で決まる商売になり、私たちはターミナルではなく推論の管理に時間を使うことになります。
エージェントそのものも作りません。 優れたものが既にあり、毎月良くなっています。 Ultenix は、それが働く部屋であり、それを見ているために人が立つ場所です。
8つのペインに、何をさせているか
実際の使われ方を2つ。どちらもアプリの本物の画面です。
複数の案件を回すフルスタックエンジニア
案件ごとにペインを分けて、直しを同時に走らせる。返事を求められたところだけに手を入れ、 残りは走らせたままにしておく。テストとPRの様子も同じ画面に置く。
AI で会社を回す起業家
ペインを部門に見立てて、記事・営業・サポート・請求・調査・採用・法務・監視を並べる。 人がやるのは、返事待ちになったところを決めることだけ。
結局、何が違うのか
AI を載せたターミナルの多くは、AI に作業をさせるために載せています。それはこれとは別の製品です。 Ultenix は、作業はもう、ご自身が選んだエージェントがやっている前提に立ち、もっと狭いことだけを問います。 その間、人には何が見えている必要があるのか。いつ呼ばれるべきなのか。
特別なことは何もありません。当たり前のことが得意なターミナルに、その1つの問いへの答えを足しただけです。 自分の言葉で、手元の Mac と、ポケットの中で。